伯爵令嬢シナモン「飛行船の殺人」 第18回/夢世界アマミ国日記
 

伯爵令嬢シナモン「飛行船の殺人」

小説、エッセイ、画塾

cinamon B 飛行船シルフィ― cinamon

第18回/夢世界アマミ国日記

粗筋/僕・奄美は、窓際に飛んできた白文鳥と暮らしていた。八年後、文鳥は白いスーツの老紳士となり帰国したいと申し出た。そこはアマミ国。老紳士は国王だった。招待された僕は、少年の姿に変えられ冒険の旅へ。

ところが行く手を賊将マサムネ一派が立ち塞がった。天空の『浮き島』アマミ宮殿で舞踏会が行われたとき、マサムネが奇襲をかけ六星合体DATEOTOKOに変身。王様はトランスホンダを装着し対抗する。戦闘は王宮から『人食い森』へ。僕はシルフィーや蘭丸と一緒に燕衆棟梁がつくった浮遊樹のサーフボードで二人を追いかける。

途中、王都高速道路で、暴走族と張り合うのだが、一緒に『人食い森』まできてしまった。無差別に襲いかかる屍鬼。敵の敵は味方。共闘し仲間になった。『守護者』隻眼の兎とサーベルタイガーが加勢し形成が一気に逆転する。他方、王様たちは――

「1~16回までのお話は、次のアドレスで読むと便利だよ」/奄美少年より (´∀`*)

http://r24eaonh.blog35.fc2.com/  『伯爵令嬢シナモン』ブログ



脳細胞融解系小説
夢世界アマミ国日記

奄美剣星

第18回


外環高速道路の通行止めになったところの先にある通称「人食い森」サービスエリア。そこから、浮遊樹のサーフボードに乗った蘭丸とシルフィー、そしてシルフィーの腰につかまった僕は、王様を追いかけた。

食人植物は、コンクリートの市街地の屋根やアスファルトの道路を突き破る格好で鬱蒼と生い茂っていた。

人形ロボットに変形したスクーターであるトランスホンダに搭乗した王様、親衛隊五人をまとめて甲殻変身した六星合体DATEOTOKOの賊将マサムネ。父子戦闘は続いていた。

ブシューン。


頭上をかすめて火球が後方へ飛んでいく。宙空を舞うサーフボードは器用に間をすり抜けた。


どこで調達したのかと突っ込みをいれたくなるのだが、両者はビームライフルを装着していた。互いに狙いは正確だ。身のこなしが速すぎる。外れたエナジー弾が地上にぶつかると、食人植物の森の一角が火柱をあげた。食人植物といえども、戦闘モードの超人二人がぶつかり合っているところに割り込む隙はないようだ。


エナジー弾の残量ゲージが空を示す。するとトランスホンダとDATEOTOKOはライフルを捨てて、背中のビームサーベルを取り出す。白兵戦に切り替わった。両者は間合いを詰めて静止した。


数分間の沈黙があった。僕は固唾を飲んだ。


柳生流奥義に「合し打ち」というのがある。相手との間合いが整ったところで、後ろの右足を前に持っていく。この際、正眼に構えた刀を振りかざすという一種のリズム打法である。二人とも戦術的思考は同じ流派によるものらしい。


先に仕掛けたのはマサムネだ。しかし、剣の速さは老練な王様が勝った。


「若いな、マサムネ」


DATEOTOKO甲殻の肩に亀裂が入り、肩膝を土につける。首を狙ったとどめの一撃を加えよとしたとき、白煙があがった。黒装束の知将カタクラが匕首で王様のビームサーベルを受ける。さらに後方から、古い特撮映画『海底軍艦』轟天号のように、巨大クルーザーが地面を割って飛び出した。


「マサムネ様、お乗りください!」


そう声をかけたのは、キャプテン・フックのような海賊ファッションをした船長のワタリである。


カタクラは匕首を王様の剣と重ねて一歩も譲らない。そして主君のマサムネがクルーザーに乗り込むのを横目に確認するや、白い歯をみせて、自らもクルーザーに乗り込んだ。クルーザーは再び、地面の底に消えて行った。


入れ替わりに、ギリシャ彫刻風の美少年蘭丸が王様に抱きついた。王様がふやけた顔になる。

「これさえなくば聖人君子に名をつらねられようものを……」


次期宰相といわれる王様の懐刀シルフィーが嘆いた。

王様とマサムネの戦闘で、食人植物の森の大半が焼けてしまった。そこに住む屍鬼も数を減じたことだろう。そう思って、シルフィーにいうと、


「食人植物の地下茎は焼けてない。屍鬼のねぐらも地下深くにある。焼いても焼いても一週間もすればまた生えてきたし、屍鬼も数を増やしてきた。『守護者』隻眼の兎たちがいても、これまではね。しかし、『王様のいない八年』は終わった。アマミ国の秩序の乱れは正されることだろう」


トランスホンダは、スクーターに変形し、白いスーツ姿の王様がもたれかかっていた。すると暴走族たちがバイクでかけつけてきて王様の前に現れ片膝をつく。


「王様、ぜひわれらを麾下にお加え下さい。王都を護りたいのです」


(ほんとは、食人植物がどんどん増殖してくるもんで、王都環状線でラリーできなくなるのが嫌なんだろ)

王国警備隊が発足した瞬間である。王様が彼らに第一に命じたのは、食人植物の「定期伐採」である。こまめに除草剤を撒いたり、妨害にくる屍鬼たちの投石に対抗したりして、忠勤に励んだ。安全が確保されると、燕衆一門が傷んだインフラを補修して行く。王都を巡る高速道路の快適な走行は確保されるようになった。


白い文王、王様万歳!


それにしても、『守護者』隻眼の兎とサーベルタイガーの存在が気になる。何者なのだ。


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