伯爵令嬢シナモン「飛行船の殺人」 伯爵令嬢シナモン3「修道院島」第1章11
 

伯爵令嬢シナモン「飛行船の殺人」

小説、エッセイ、画塾

cinamon B 飛行船シルフィ― cinamon

伯爵令嬢シナモン3「修道院島」第1章11


 1920年代末が舞台。群馬県で殺人事件が起きた。容疑者は竹久夢二。夢二の知人萩原朔太郎は、佐藤記者を介して、レディー・シナモンに捜査を依頼する。シナモンの一行は手分けして捜査を開始。シナモンの助手役となったドロシー博士と朔太郎組はききこみに女郎宿に行き、「高崎の老人」と呼ばれる人物と対面していた。
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主要登場人物
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レディー・シナモン……英国伯爵令嬢・考古学者。「コンウォールの才媛」の異名がある。
ドロシー・ブレイヤー……アメリカ人考古学者。日本の古建築・ガラスを研究している。短期契約で伯爵家執事になっている。
竹久夢二(たけひさ ゆめじ)……奔放な画家。
萩原朔太郎(はぎわら さくたろう)……群馬県の詩人。
〈高崎の老人〉……豆吉と行方をくらました遊女がいた女郎宿の店主。本名は、隼人(はやと)という。
豆吉(まめきち)……事件当日、夢二を乗せた人力車の車夫。士族で本名は吉之助という。事件直後、高崎の遊女と失踪。
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  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※
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 「逃げた女郎----菊か……人をやって捜している最中だ。たしか、相手は豆吉という車夫だそうだな」
 白髭の老人はそれ以上は語らなかった。ただドロシー博士をいたく気に入った様子で、
「アメリカの女侍」
 と呼んで、自らがしていたサングラスを渡し、
「似合うぞ」
 といってまた笑った。朔太郎は、ベレー帽を被ったドロシーは学者というよりは軍人のように感じていた。さっそく、〈高崎の老人〉から贈られたサングラスをかけたドロシー博士はあたかも高級将校のようにみえたのだった。
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 二人は女郎宿をでて花街を歩いた。
 木造二階の宿屋が並び、格子ごしに、不自然な白粉(おしろい)を塗ったくったやたらに赤のめだつ和服の女たちが目立つ。通行人にからむ女郎たちや客引きの男たちも、〈アメリカの女侍〉には道を譲った。
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 疲れきった顔の朔太郎が、
「収穫ゼロでしたね、ドロシーさん」
 といった。
 けれどもドロシーは微笑んだ。
「無関係なら、何も知らないとはいわない。〈高崎の老人〉、事件に深く関わっている。〈履歴書〉をつくってみましょう。市役所で戸籍を調べてみます。いろいろと出てくるはずですよ」
 ブランドものらしく、サングラスがいたく気に入っているようだ。
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 いっぽう、東京へむかった家宰と佐藤・中居たちは……。
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 ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※
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後 記
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 森の中に、樹木のない広場のような場所があり木漏れ日がさしていた。白い丸テーブルと椅子が置かれてある。テーブルの上にはケーキケース、ティーポット、三人分のティーカップが並べてあった。まるでこれからティーパーティーが始まるかのよう。
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 「やあ、佐藤さんに中居さん。紅茶でもいかが----」
「な、な、なにが紅茶だ。スイーツマンめ!」
「せ、先輩、い、いくらなんでも、こ、殺さないでくださいよ」
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 だだだだだ……。どすん。
.
 わーい、落とし穴だーっ!
.
「第1章11のメモリー・ステイック、ここに置いておきますよ。では、ごゆっくり」
 ふぉーっ、ふおーっ、ふぉーっ。 
. 

(《どこまでも》つづく……)

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 ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※
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 コメント 

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2009/12/12 03:29
咲様

ドロシーにつけた異名「アメリカの女侍」を気に入ってくださり、嬉しいです。
アバター
2009/12/12 02:51
咲様

常連さんで、咲さんがこないので寂しいなあと思っていたら、ついに、こられたので安堵。しかしほんとに12月というのはいろいろとせわしいものですよねえ。

「高崎の老人」叩けばホコリがでてきます。はーい、佐藤・中居と一緒です。

ティーセットをどこから調達したか? ついに突っ込まれましたか。
カーネーション、ゆり、ゆり、ばら。----私がやっても綺麗じゃありませんでした。(平伏) 
アバター
2009/12/11 23:26
アメリカの女侍…ドロシー博士にぴったりな異名がつきましたね。鋭い観察眼が高崎の老人を捉えましたが…彼の背後から何が出てくるんでしょう。どきどき。
あ、次回はついに家宰殿たちの出番ですね!

スイーツマン氏、そのティーセットは何処から調達したんでしょう…よほど山荘生活でストレスが溜まってたのかも。 
アバター
2009/12/11 04:26
もけもけ様

本編と後書きの関係はパラレルワールドで、舞台と実生活? のようなもの。
本編→後書きはありますけれど、逆の場合はないと思います。

今回の相手は、大きな相手で、一人で戦うにはきついため、チーム制としました。
もちろんシナモンが統括するわけですけれど。
アバター
2009/12/11 04:20
藍姫 様

今回の物語はたぶん長くなります。対峙する相手もより巨大となり、
登場人物もそのぶんおおくなります。佐藤中居の活躍も、まあ、だいじょうぶですよ。

佐藤・中居は不死身です。ご安心を。
アバター
2009/12/11 04:15
ちょろち 様

ドシロー と ----ではありません。

おばちゃまがおばけちゃま。生前から……。いえ、いいすぎですねえ。
アバター
2009/12/10 23:11
事態はシナモン&ドロシー&佐藤・中居の三つ巴ストーリーで進む訳ですね

落とし穴から本編に迷い込んでくることはあるんでしょうか?

あ、それはファンタジーですね

別人格のストーリーが入り乱れて入り込み、緊迫感を生むとか

そんな手法好きです、ぽっ(#^.^#)
アバター
2009/12/10 23:06
一見、何でもない事に意味を見出す……あ、物書きと一緒ですね ^^
今回のシナモン姫の相棒は、頼りになりますね。
これでは、佐藤&中居コンビの出る幕は……^^;

落とし穴に落ちるとは……。
佐藤さん、よほど冷静さを失っているようで ^^;
これから出番なのに、大丈夫なのでしょうか? 
アバター
2009/12/10 22:29
なぜか、ドシローと読んでしまうだす・・・ごめんなさいだす♪www

オバちゃま・・・ねぇ~ 
アバター
2009/12/10 19:38
BENクー様

教えてくださり感謝。生きているのは、「おすぎ」と「ピーコ」だけですねえ。 
アバター
2009/12/10 19:30
コメントありがとうございます。
残念ながら2005年1月9日に永眠なされました。
小森のおばちゃまは、小森のお化けちゃまになられました。(…合掌・・・  
アバター
2009/12/10 19:02
酒井しのぶ 様

あの~。さいきんたまに本編のコメントを(故意に)忘れる方がいますう~。(笑)

シュガーちゃん。やるよ。 「わーい」(←きいてたの、佐藤さん?)

マーロウ。昔、『ハードボイルド風にいきてみないか』といううんちく本がありました。概要はしっていますが実物を呼んでないのですよ。めんどくさがりやさんなのさ。  
アバター
2009/12/10 18:32
 しのぶのシュガーちゃんが落とし穴に!
 介抱してあげなきゃ(笑)
 
 BENクーさんのコメントにちょっと口出し。
 マーロウって、フィリップ・マーロウかしら? 大好きです!!(それだけです……)  
アバター
2009/12/10 17:31
BENクー様

マーローの物語は有名なのですが読んだことはありません。穏和なシナモンと対照させるためにクールな役柄に設定しました。助手というよりは準ヒロインですねえ。今回の事件は少し複雑であるため、ドロシー博士の存在は重要な位置を占めると思います。問題なのは、シナモンを食っているかもしれないというところ。

え、辛辣でしたかあ? 親切だと思っていたのに……。
ふぉーっ、ふぉーつ、ふぉーつ。 
アバター
2009/12/10 17:24
ソラちゃんへ

混乱した事件を楽しんでいただければ幸いです。
犯人の有無はともかく、〈高崎の老人〉は重要人物ですね。

穴に落ちたのは佐藤・中居です。
ソラちゃんのぶんは別にご用意いたしますよ。 
アバター
2009/12/10 13:00
シナモンが頭脳明晰なホームズタイプ(…必要以上は動かない知的探偵タイプ)とすれば、ドロシーは裏を取り、論理と実地を重ねて謎を説くマーロウタイプに感じました。どちらも鋭い推理は一緒ですが。ww
それにしても、幽閉状態から逃亡したスイーツマンの逆襲は辛辣。凸凹コンビが翻弄されてるのが、ん~、堪らず面白い!ww 
アバター
2009/12/10 11:28
う~~ん、事件は、ますます混迷気味・・・。
高崎の老人の指図だったのでしょうか・・・・??

あ、おいしそうなケーキと紅茶、穴に落ちたスイーツマンさんの分
ソラが頂いちゃいます♪  パクパクパク。 そして、逃~~

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おはようございます

おはようございます。
今日は少し暖かなようです。

アメリカの女侍、高崎の老人にも引けをとらないようですね。
朔太郎がすっかりかすんで。
スイーツマンさん、積年の恨みはらしたですね(*^_^*)
ただまたリベンジが怖いですね(^_^;)

KOZOU様

No title
千葉県の崩落しかけた絶壁にある古墳でお仕事してました。やたらと暖かく。身体を動かすと汗が出てきました。

朔太郎……。う~む。励ましておきますね。

はい、たまにはいじめさせてくださいませ。
逆襲。はい気を付けます。 ^▽^ )
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