伯爵令嬢シナモン「飛行船の殺人」 第5回/夢世界アマミ国日記(脳細胞融解系小説)
 

伯爵令嬢シナモン「飛行船の殺人」

小説、エッセイ、画塾

cinamon B 飛行船シルフィ― cinamon

第5回/夢世界アマミ国日記(脳細胞融解系小説)

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 脳細胞融解系小説
夢世界アマミ国日記

奄美剣星

第5回

急行電車は、『商都駅』地下ホームに到着した。銀色髪のシルフィーと僕が駅から降りようとしたときのことだ。いきなり電気が消えて真っ暗になる。下車しようとした乗客たちがどよめいた。

シルフィーがつぶやく。

「お出でなさったか」

「何が?」

「マサムネの片腕の一人、カタクラの部下たち。『影』って呼ばれている」

「マサムネの片腕? アマミ港沖で襲い掛かってきたワタリみたいなもの?」

「そんなところだ」

「影」たちは蝙蝠の形をして、シルフィーの周りを旋回し、金属の塊を落してくる。他の乗客や列車自体には関心がない様子。金属塊は小型爆弾だ。プラットホームの床に落ちると次々と小爆発を起こす。

銀色髪の青年は僕を抱きかかえたまま壁を蹴って宙を跳ね回り、両腕を銀色の翼に変えて大鳥となる。僕は銀色の大鳥の両脚に背中をつかまれた格好になった。

シルフィーは「影」以上に素早い。何度も急旋回し敵を振りきって、深さ五十メートルはあるであろう長大なエスカレーターに沿って急上昇を始めた。

(虎口を脱した!)

僕はそう思った。ところがエスカレーターを上り切った改札口のところで、奴が待ち構えていた。

「シルフィー君、白い文王はいないようだね?」

「そういうことだ」

「出直してくるよ」

黒装束で忍者みたいな恰好の男だった。腕組みをした男が、煙幕弾を床に叩きつけ、白い煙幕の奥に消え行く。途端、闇になっていた地下ホームの照明が点き、停まっていたエスカレータが動き出す。

「あれがカタクラ。ワタリは力技一辺倒だが、カタクラは知恵がある。ワタリ以上に手強い」

銀色髪の青年が小声でいった。

一安心したらお腹が鳴る。人の形に戻ったシルフィーがいった。

「いい店がある。御馳走するよ。そのうち王様も食事に来るさ」

「馴染の店?」

「そういうこと」

銀色髪のシルフィーは、カードを出して、関係者しか出入りできない秘密の道に入る。秘密の道は狭いトンネルだがいろいろな仕掛けがあって、外敵は絶対に入れない。ほとんど王様だけを守るために作られたような施設だった。

出口の一つが地下商店街の一隅にある。地下商店街は書店、楽器店、靴屋、それに飲食店で構成されており、そこもやたらに長い。やがて、いくつかあるエレベーターポイントの一つにたどり着き、そこから地上に林立する摩天楼「新世界ビル」の最上階に昇る、超高速エレベーターに乗った。

最上階展望レストラン『シャングリラ』。僕らはそこで少し遅くなった夕餉をとることになった



(つづく)



【登場人物】

王様(白い文王) : 白いスーツの老紳士。夢世界アマミ国王。現実世界では、白文鳥に化け、八年間奄美に飼われていた。

シルフィ― : 王様の家臣。長身で銀色髪をしたクールな青年。

蘭丸 : 王様の恋人である絶世の美少年。浮遊樹を削って作ったサーフィンに乗り、古代ギリシャ風に月桂冠を被り腰布をまとっている。

僕(奄美) : 帰国する王様に同行し、八年ぶりに夢世界アマミ国に訪れた際、十歳弱の蝶ネクタイと半ズボンの少年になる。

ワタリ : 賊将マサムネの部下。猛将系。有翼船を操る。羽飾りの帽子にコートを羽織り、海賊のような姿をしている。

カタクラ :賊将マサムネの部下。知将系。「影」の一団を率いる。黒装束で忍者の様な姿をしている。

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theme : 自作連載ファンタジー小説
genre : 小説・文学

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