伯爵令嬢シナモン「飛行船の殺人」 伯爵令嬢シナモン3 「修道院島」第1章9
 

伯爵令嬢シナモン「飛行船の殺人」

小説、エッセイ、画塾

cinamon B 飛行船シルフィ― cinamon

伯爵令嬢シナモン3 「修道院島」第1章9

前回までの粗筋
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 1920年代の終わりごろ、群馬県の利根川中州〈軍艦島〉で若い女性黒岩梅の遺体が発見された。容疑者は画家竹久夢二。 夢二の知人萩原朔太郎は、佐藤記者を介して、レディー・シナモンに捜査を依頼する。シナモンは、朔太郎兄妹と、事件当日夢二を乗せた車夫豆吉のところへむかたのだったが、女郎と駆け落ちしたあとだった。豆吉の残された家族は……。
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主要登場人物
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レディー・シナモン……英国伯爵令嬢・考古学者。「コンウォールの才媛」の異名がある。
萩原愛子(はぎわら あいこ)……萩原朔太郎の妹。
竹久夢二(たけひさ ゆめじ)……奔放な画家。
黒岩梅(くろいわうめ)……〈軍艦島〉で変死体で発見された女性。夢二の元交際相手。
豆吉(まめきち)……事件当日、夢二を乗せた人力車の車夫。本名は吉之助。
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 ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※
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 シナモンと愛子は座敷の縁に座らせた豆吉の妻が、「茶がないので」といって白湯をだした。 
.
「今でこそ落ちぶれてはいますが、あれでも、あの人、士族なのですよ。上総国 ※1 請西(じょうざい)藩というところの奉行(ぶぎょう)の孫にあたるそうです。豆吉というのは通り名で、ほんとうは吉之助(きちのすけ)というんですよ」
「士族?」
 シナモンが訊きかえすと、愛子が、代わって答えた。
「サムライですよ。いまでは刀こそ差しませんけれどね」
 豆吉の妻は、生活に追われてやつれている。けれども市井のおかみというには応対が粗野ではなかった。
 豆吉の妻は、
.
 豆吉は愛妻家で子供たちを愛していた。食うのがやっとという生活であった。上州(じょうしゅう) ※2 は、賭博(とばく)が盛んなところであるが、他の車夫たちに混じって遊ぶことはなかった。酒や煙草もやらない。家はみての通りの長屋暮らしであり、そんな余裕がないのも確かだが、浮いた日銭はすべて家族のために渡していた。そんな豆吉が、妻子を裏切って、女郎と駆け落ちするというのは、不自然で、信じられない。
.
 と話した。
 シナモンと、愛子もうなづいた。それにしても、
.
 ----請西藩。
.
 シナモンは、その名が気になった。
.
 他方、色街の女郎宿にむかったドロシー博士・朔太郎組は……。
.
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※1 千葉県の古名
※2 群馬県の古名
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 ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※
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後 記
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 「追いつめたぞ、スイーツマン!」
「ほれほれ、『シナモン3』第1話9のメモリー・スティック」
「よこせ!」
「やるよ」
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 ぽい
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 ----なんてことを
.
 ダダダダダ……。
.
 「先輩、俺たち犬みたいっすね」
「中居、おまえは追えよ」 
「あっ、いけね。逃げられちゃいましたね」
.
(《どこまでも》つづく……)

.
 ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※
 

コメント

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2009/12/09 04:41
咲 様

真犯人に何かされたか? 物語全体にある大きな意志----というものと構想してます。

メモリーステイックの取り扱い。あっ、次回は、飛んでいたりして。

モンブランを、ありがとうございます。逃走中の貴重な食糧となるでしょう。(笑) 
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2009/12/09 01:11
豆吉に失踪するような素振りはなかったとなると、やはり真犯人に何かされたのでしょうか?
奥さんと子供たちのためにも、無事に戻って欲しいですが…。

スイーツマン氏の逃走はどこまで果たせるのでしょうか…。メモリースティックの扱いは慎重に。
あ、モンブランを受け取ってくださって有難うございます。ダンディーな家宰スタイルにはちょっとアンバランスかなと思いましたが、発売延長に運命を感じてしまったので…。 
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2009/12/08 23:56
もけもけ 様

 狙っているわけではなくただの思いつきの連続です。

 もちろん頭の中では日々軌道修正がありますけれど。 
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2009/12/08 23:27
豆吉さんとシナモンさん

一見出会うことなどなさそうな組み合わせがいいですね

これはないよね~という意外性の組み合わせに惹かれます

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2009/12/08 22:55
 
藍姫 様

日本国憲法が発布されるまで、華族・士族・平民という籍が存在しました。昭和22年頃までだったと思います。学校卒業式とかで、「士族○○、卒業証書を授与する……」というような調子で、学校長が生徒にそれを渡していたとのことを祖母から訊きました。

もちろん裏がありますよ。豆吉氏、どうしているのでしょうねえ。


佐藤・中居~先祖は単細胞生物でした。(あ、みんなそうでしたね30億年ほど前までは)
 メモリースティック~実は藍姫さんが読んでいたのは夢幻かも。(笑) 

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2009/12/08 22:39
真面目な元士族の男性が、苦楽を共にした妻と子供を残していく……なんて、裏がありそうですね。
奥さまは、今でも武家の妻女のように凛とした女性のようですが、豆吉さんには早く戻って欲しいです。

佐藤&中居コンビは単純ですね ^^
メモリー・スティックの中身が本物で良かったです。

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2009/12/08 20:23
 
酒井しのぶ様

バックアップはするにこしたことはないですよね。 
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2009/12/08 20:22
 
BENクー様

豆吉、あやういですねえ。はたして安否は……。

逃げてるぴょ~ん。 
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2009/12/08 19:15
 いまの長編を書きだしてから、一度もUSBメモリに保存していないことを思いだしました(笑)
 あぶないあぶない。

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2009/12/08 18:12
貧乏ながら豆吉(…吉之助)は士族の良き矜持を持っていそうな男。
豆吉の身の上が心配になってきます・・・

上手く逃げろよ・・・時折MSだけ落としてね。(…でないと読めないから・・・www

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おはようございます

おはようございます。
今日もとても寒いです。

豆吉さん、侍だったのですね。
謎がからみ重要人物になりそうですね。
請西藩、戊辰戦争で唯一藩主自ら脱藩して闘ったですね。
林なんとかいう若い藩主。
藩士は迷惑したかも知れないですが、こんなお殿様もいた、愛すべきお殿様ですね。

それにしてもわたしも女郎屋の探索がいいですね(^_^;)

KOZOU様

いつもながら鋭いご指摘ですね。

女郎宿探索。やはり気になりますよね。(男の子ですから)
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