伯爵令嬢シナモン「飛行船の殺人」 小町通り/恋太郎白書138・(巡礼編)
 

伯爵令嬢シナモン「飛行船の殺人」

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小町通り/恋太郎白書138・(巡礼編)

昭和時代末短編恋愛小説群
恋太郎白書(巡礼編)
第138回 小町通り

昔、恋をしてはふられてばかりいる若者がおり、人は指を差して恋太郎《れんたろう》と呼んだ。花や紅葉《もみじ》がはらはらと漂う、そんな若者であった。



海岸から北上して八幡宮に至る大通り、途中にある鎌倉駅から少し西を併走する小道に、学生でも入れる値段の料理を出す瀟洒な店があった。


恋太郎は気づきもしなかったのだけれども、雫は、途中でガイドブックを買って調べてみつけた。連れ出すのは恋太郎、洒落た店をみつけるのは雫、役割は決まっている。吐く息を白くする季節、鎌倉でのデートを二人はそうして楽しんだものだ。


通りにある店は、どれも似通っており、目立たない二階建ての小さな店だ。一階だけが店舗で、調理場とカウンターがある。ピロシキと飲み物以外はメニューにない。名物のそれと珈琲とを注文して夕食にした。時計をみれば五時過ぎだ。店を出てから帰りの電車に乗った。


どんな話をしたのだろう、思い出せない。ただ雫が目を細めて笑っているところだけが脳裏に焼き付いている。


記憶を取り戻したくて街を彷徨っていた恋太郎は、偶然、店をみつけ、あの日と同じカウンター席に座った。電球の放つ光が壁をオレンジ色にしていた。それ以外の内装は黒を基調としていた。

懐かしい匂いがする。

知らぬ間に横に来た女性客が店員に注文する声に驚き横をみる。雫ではなかった。

(稿了)




【登場人物】

恋太郎:失恋の天才児。

雫《しずく》:故人。恋太郎の学生時代の恋人。


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theme : ファンタジー小説
genre : 小説・文学

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