伯爵令嬢シナモン「飛行船の殺人」 勇作の一族 恋太郎白書130・短編
 

伯爵令嬢シナモン「飛行船の殺人」

小説、エッセイ、画塾

cinamon B 飛行船シルフィ― cinamon

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勇作の一族 恋太郎白書130・短編


磐城地方の基幹産業は石炭産業であった。先祖はこの地においての石炭作業黎明期を支えていたが明治期を境に成功と挫折を繰り返しつつ緩やかに下り坂となる。勇作の祖父は教職に就いて、商工業や農業から徐々に撤収して行く。

戦後幾つかの炭鉱会社が合併して「常磐礦産」が出来、一介の炭鉱夫から叩き上げで出世した伯父が社長に就任。またもう一人いる叔父が課長となる。

父親を亡くしたのだけれども大学に進む意思のあった勇作は炭鉱に入った。地下では地上では絶対に巡りあわない人と出会うものだ。坑道の休憩室で参考書を読んでいる勇作に藁って声をかけるやや年長の若者がいた。

「勇作君といったね。勉強熱心だなあ」

戦後直後にあってもなお迫害されていた共産党員で、しかも東大卒業生だった。

この人から受験勉強についての助言を受ける。また後日、マルクスの『資本論』を貰い難解なその書を読破もした。半年坑内で働くと、一族が会社の中枢にいたこともあり、帳簿係として内勤するようにいわれ青年と別れる。

「常磐礦産」本社は東京にあり上京した勇作は社長である伯父に料亭に招かれた。座敷には何人もの芸者者衆がいて華やかな舞と鼓笛の宴となる。宴の半ばに社長はいった。

「二十年以内に『石油革命』が起きて『常磐礦産』は崩れ落ちる。だからお前をうちの会社には呼べない。親父さんの跡を継いで田舎で中学教師になるのが一番いいんだ」

若い勇作には「石油革命」、すなわち主要燃料が石炭から石油に変換されるエネルギー革命というものを理解するのに二十年を要した。

「常磐礦産」最盛期の折、昭和天皇が行幸し、勇作の叔父が坑道の案内役をするという光栄に浴す。そしてそれが伯父・叔父の花道となることを片田舎の中学教師となった勇作は後に気付くこととなるのだ。


【登場人物】

勇作:恋太郎の父。
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