伯爵令嬢シナモン「飛行船の殺人」 勇作の母のこと 恋太郎白書129・短編
 

伯爵令嬢シナモン「飛行船の殺人」

小説、エッセイ、画塾

cinamon B 飛行船シルフィ― cinamon

勇作の母のこと 恋太郎白書129・短編

勇作の母の実家は、磐城地方の中心市街地から東へ行った海沿いである新舞子(しんまいこ)に近いところにあったのだが破産し、父母は失意のうちに県営住宅で亡くなる。兄弟姉妹は親類の養子・養女となった。勇作の母は姉の嫁ぎ先で厄介になる。

姉夫婦は妹を養女として扱った。そこそこの資産家で、水戸や東京の女学校、裁縫学校、助産婦学校にも出してやる。

恋太郎が幼い折り、膳の取り方はこの人から学んだ。魚を食べるときの小骨の取り方、食事をするときは箸を三回は膳に置くこと。

明治末年生まれのこの人は、実に綺麗な魚の食べ方をする。

勇作の父が亡くなって、七人の子供を育てる都合上、農地解放で残った五反の土地も少しずつ切り売りして行くのだが、人使いは上手い。

東京で学んだ芋サラダを気前よく周囲に振る舞う。田舎では「ハイカラ」だといって喜ぶ。近くで妊婦が生まれると無償で子供を取り上げもした。

勇作が正式に家を相続するとき、「立派な人とは、お国のために税金を納める人のことです」と毅然といったものだ。

嫁いできた友里恵にはきつく当たったのだが、勇作との夫婦喧嘩では上手く仲裁した。

教職にあった勇作夫妻は、この人のために猫の額ほどの畑を残し、還暦過ぎまで母は百姓仕事をしたが引退した途端に朦朧してしまい、首都圏に嫁いだ娘たちに、「友里恵が年金を横領した」とか、「三食をださない」とか妄言を吐き、本気にした妹がたちが電話で罵ることもあった。

この人の最後に至るまでの介護は友里恵がする。息を引き取る直前、呆けていたはずの義母が半身を起し、
「友里恵さん、握手しましょう」といい、翌日亡くなった。


【登場人物】

勇作・友里恵:恋太郎の父母。
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