伯爵令嬢シナモン「飛行船の殺人」 宰相謀反1 (ファア王国志3)
 

伯爵令嬢シナモン「飛行船の殺人」

小説、エッセイ、画塾

cinamon B 飛行船シルフィ― cinamon

宰相謀反1 (ファア王国志3)

風がとまった。蒸し暑い。少しでも涼をとるならば高みにいると良いかも知れぬ。
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ファア王国の同盟国クオン侯国の同名都城である。宮殿近くに陣取った大貴族の屋敷は高い塀に堀をめぐらし、ところどころには楼閣を配置している。サトウが楼閣の頂にいて、故郷ファア王国のある南方を望んでいると、「大変っすよ、先輩」と叫びながら、ナカイが昇ってきた。
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「謀反、だと。誰だ」
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「宰相ガナオの一門です」
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「宰相が、か」
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宰相ガナオと執政シュナの手勢が王宮を急襲。ユンリイ王を拉致して、地の利を熟知した自領に連行した。守備の近衛軍が応戦したが、寡兵であったことと、不意をつかれたことで撃破されてしまった。宰相一門を嫌い、国王に忠誠心厚いものたちは、王姉シナモン内親王の御料地をめざしており、そこで再起をかけようとしている様子だった。
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「先輩、俺たちはどうするんすか」
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「いつかは、宰相一門と決着をつけねばならぬ、と思っていた」
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サトウは、深呼吸してから、今度は北をながめた。
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「ジーン侯国のハーン将軍がどうでるかだ。隙を疲れては面倒だ。北で釘付けにせんとな」
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そういってから、
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「ジーンの東西には二つの大国がある」
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「東のライファン侯国、西のチャイ侯国っすね。判りましたよ。両国をうまく説き伏せて、東西から牽制させる。なるほど、そうなればジーンは身動きがとれない」
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「そういうことだ」
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サトウは、西と東の大国に、『草』を放って、「ジーンが軍備を増強している。兵を進ませる気配がある」と喧伝させておいてから、それぞれ、密かに両国に潜入し閣僚たちと密談を始めた。その一方で、ユンリイの正妃と副妃の実家であるルーコン氏族に密使を送ることも忘れない。
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(つづく)
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【脚注】
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ユンリイ王:ファア王国の青年君主。本編主人公。
サトウ、ナカイ、弓仙のヤン、戟のセオ、剣のラン、国師マガ:ファア王国の王臣たち。
フィエルナとルイ:ユンリイの幼妻たち。王妃と副妃。森の氏族ルーコン族長エルナの長女次女。
執政シュナ:宰相一門。国軍の長。
宰相ガナオ:長らく王国を実質支配してきた王族。
ハーン将軍:ジーン侯国最強の将領。
オーソン:帝国廷臣。客分としてハーン付参謀となる。
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