伯爵令嬢シナモン「飛行船の殺人」 帝国への道3 (ファア王国志2)
 

伯爵令嬢シナモン「飛行船の殺人」

小説、エッセイ、画塾

cinamon B 飛行船シルフィ― cinamon

帝国への道3 (ファア王国志2)

 広葉樹の深い森だ。馬車がつかえないので、サトウとナカイは、徒歩で目的地を目指す。うっそうと茂った木々との枝葉が、とつぜん、開かれるとそこに大きな農園と一里四方ほどの城壁に囲まれた都市が姿を現した。
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「ルーコン族って森の民っすよね、先輩。やつら、ちゃんと都市をもっているじゃないっすか」
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「『蛮族』と呼んだのは、現実に耳目をふさぎつづけてきた皇帝と取り巻きだともだ。皇帝たちは自分のところの分家筋は諸侯として遇するが、勝手に生えてきたルーコン族なんかは建国の挨拶に使者がきても門前払いを食らわしてきた。諸侯として遇しておれば、やつらを怒らせることもなかった。帝国傘下にあった城市のいくつかは生き残っていたろうに」
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「黒林のなかにあった廃墟となった城市群、あれは帝国の殖民都市のものだったんすね?」
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「そういうことだ。全部、ルーコンに滅ぼされたものだ」
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ルーコンの都城と周辺の田園に人影はない。反対におびただしい数の視線を感じる。
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「注目されちゃってますよ、俺たち」
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「そのようだな」
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佩剣《はいけん》に手をかざすには遅い。やむなく、二人は両手を挙げた。
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いままで誰もいなかったはずの背後に、十名弱の黒装束の一団が姿を現した。黒装束どもは一斉に銅剣を抜いて二人を取り囲む。
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「ファアからきたのだな。名前は? 目的はなんだ?」
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「われらの軍勢は帝都にゆく。古い街道をたどってここまできたが、木々が生えていて通れない。木々を除き道を整備したい。ただ通り抜けるだけだ。卿らの氏族とは戦う意思はない。その旨を伝えにきた」
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一団の長と思われる人物が、「ふん」とあごをしゃくりあげた。女だ。
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「ファアが帝国と戦をしようと知ったことではないが、われらが領地に大軍で進入しておきながら、『戦う意思がない、道をつくらせろ』だと? 笑わせるな。女を裸にしておきながら、「犯すつもりがない。安心しろ」とほざく男のようなものだ」
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背後に控える男衆が笑いだした。
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(つづく
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genre : 小説・文学

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