伯爵令嬢シナモン「飛行船の殺人」 中近世武器/冷兵器(槍・刀剣・弩弓ほか)、創作ノート/『ハプススブルク戦記』
 

伯爵令嬢シナモン「飛行船の殺人」

小説、エッセイ、画塾

cinamon B 飛行船シルフィ― cinamon

中近世武器/冷兵器(槍・刀剣・弩弓ほか)、創作ノート/『ハプススブルク戦記』

【冷兵器】
ルネッサンス期に使われていた兵器のうち今回は、刀剣や槍といった冷兵器を挙げてみたい。テキスト(ダイヤグラム・グループ 1982)からの引用と所見である。

〈棍棒〉P16-17
 ●合成棍棒:攻撃力を高めるために、柄の先に金属パーツなんかを装着したタイプだ。原始では石製、古代以降は青銅製・鉄製が加わる。ハンマーの一種で、童話の鬼が好んで持っている。
 ●連接棍棒:敵が回避できないように、柄の先端と金属球あるいは短い金属棒をつないだもの。ハンマーの一種。棘(とげ)がつくと敵の鎧を叩き割るのに効果的だ。

鎚矛〉P18
 ●鎚矛:合成棍棒の発展型で、柄の先に鎚(ハンマー)がついている。鎚の形は矢羽に似たもの、鉄球や棒に棘がついたものがあり、後者が主体だ。合成棍棒よりも重厚で敵の甲冑にぶっつけると割れないまでも、中の戦士を骨折させる。

〈斧〉P25
 ●通常の斧タイプに加えて、刃部をやたらと長くしたもの、前と後の両方に刃部をつけて両頭型としたものがある。

〈短剣P31-33〉
 合理的発展というよりは流行の連続だ。中世では、護身用・食事用・装身具としてあらゆる階層に用いられた。P32挿図に示された短剣のうち、時代は下るが包丁のような形をした16世紀のスイス農民用ナイフ、刃の反対側が櫛(くし)状のギザギザがついた櫛形短剣はユニークな形状だ。櫛(くし)形短剣は敵の振りかざしてきた剣を、日本の十手のように、ギザギザのところでからめる。

〈刀剣〉P46-51
刀剣について、刀は片刃、剣は両刃のものをさしている。騎兵が佩帯するハンガリー刀とその系譜を引くサーベルが登場するまで欧州は剣が主流だ。
 中世のはじめは巾広の刃で断ち切る目的の剣だったが、板金鎧が盛行してくると、鎧の継ぎ目から突き刺す細身の刀剣が出現する。長剣(ロングソード)と半剣(短剣)がある。
 16世紀になると甲冑が衰退するため、戦士たちは甲冑の籠手の代わりに、凝った柄の剣を選ぶようになった。レイピアも登場する。ゾーリンゲンやフェラーラといった名工も登場する。騎兵が白兵戦に用いる直刀・三日月刀の一種であるとこの軍刀(サーベル)は、18世紀から流行した。
 主流たる刀については同頁挿図3・6で示された800年頃のヴァイキング刀、英国1260-70年の巾広彎刀(はばひろわんとう)が挙げられている。
●片手長剣:P47の挿図にあるものは英国王ヘンリー五世のもので刀身が100センチ、柄が30センチある。片手で柄をもつために剣身とのバランスをとる必要から柄頭が重りになっている。
●片手半剣:長剣の対比として片手半剣(片手剣)は刀身が60センチ、柄が20センチだ。
●両手剣:16世紀第一四半期から流行する。15世紀のものより剣巾が細くなる。
●レイピア:16世紀第二四半期から18世紀第三四半期まで流行した刃の長い刺すための剣で、剣身は細身で長く刃部は鋭利である。片手剣の一種だ。
●小剣:レイピアとセットで使う、いわば二刀流。

〈棹状武器〉P56-63
 棹状武器は刃物を装着させた長柄の武器全般をさしている。槍・戦斧が主体だ。
挿図では、槍には、突き槍・二叉槍・三叉槍・両棘矛(パルチザン)、日本の薙刀に類似した長刀・長柄矛・長柄戦斧、古代中国の戟に似た槍と斧を合わせた槍斧、古代中国の戈に似た戦鎚を挙げいている。
突き槍(パイク):ルネッサンス期に欧州の最強を争ったスイス傭兵やドイツ傭兵(ランツクネヒト)が用いている。1600年前後のこれら傭兵たちは、火縄銃の射手が弾丸を装填している間、中腰の姿勢で、地面に長槍の柄頭をつけて槍を斜めにした格好で槍衾をつくる構(チャージ)は独特で壮観だ。15世紀スイスの長槍(パイク)は葉状穂先となっている。柄は4mを超える長さだ。スイス傭兵流の槍衾は騎兵突撃からの防御に適し、白兵戦初期段階にむいている。
槍斧:1477年、これを装備したスイス傭兵は、無敵を誇ったブルゴーニュ公国最新装備で固めた麾下の傭兵たちを壊滅させ、シャルル猪突公をナンシーの戦いで斬り殺した。このとき使われている。長柄の半分くらいの長さだ。白兵戦でもかなり接戦となってつかう。

〈弩弓〉
 弩弓手は、15世紀に至るまで軍隊内部での地位がもっとも低かった。英国ヘンリー八世は百年戦争において有名な長弓隊を用いフランス騎兵を撃破する。徴兵年齢に達した平民男子は弓を所持し、日曜朝の礼拝後に練習せよという勅令を出した。熟練弓手の俸給は高かったという。身分が低いため甲冑装着を許された弓手はわずかだった。フランスは弩が主力だったが弩兵の地位も英国の弓手と同じかそれ以下だった。
弩(クロスボウ)P102-105:「クロスボウ」と呼ばれているように、長柄をつけることで十字形になる。長柄には矢の発射装置がついていて、引き金を引くことで矢を飛ばす。飛距離は強力なもので320m(*ジョン1986年,P25)を測る。弓部を引くときの作業は手間だ。柄の先端にフックがついていて脚をそこにかける。鉤(かぎ)を弦に引っかけ発射装置のところまで持ってゆく方式が原型で、ここの作業をレバー式にしたり巻き上げハンドルで弦を引いてゆく方式もある。なお、弩をセットするとき敵の攻撃を防ぐため、大盾を前面に置いて、その陰で作業をした。弩を正規軍が戦場でつかっていたのは、鉄砲にその地位を奪われる1550年ごろまでである。
長弓(ロングボウ) P96-97:全長180センチ強。イチイチ材が多くつかわれる。矢の長さはその半分だ。付属アイテムとしては、矢の携帯につかう弓袋または矢筒、矢を放ったときに弦で腕をひっぱたかれるのを防ぐ碗甲がある。後の日本やモンゴルが使っていた合板弓と違い、単純に一本の木棒から作り威力が弱い。飛距離を256m(*ジョン1986,P25)に伸ばすため弓を長くした。弩(クロスボウ)と同じころ鉄砲の普及により戦場から消える。



参考文献(テキスト)
 ●ダイヤグラム・グループ著 田島優・北村孝一訳 『武器』 マール社 1982年
 ●ジョン・マクドナルド著 村松赳訳 『戦場の歴史』 河出書房 1986年
スポンサーサイト

theme : 自作小説(ファンタジー)
genre : 小説・文学

line

comment

Secret

No title

昔昔、ドラゴンクエストに夢中だった時に、

これらの武器を勉強しました。懐かしい。

jizou様

ドラゴンクェスト

 大学時代の同期で、就職が内定していたのに、ドラクエにはまって
 卒論提出をせず留年した人がいました
 恐るべしです
line
line

line
Google ペイジランク
ページランク-ナビ
line
奄美剣星
line
文鳥貴族
文鳥貴族
line
最新記事
line
「怪盗めろん」

 

line
「文鳥王トリスタン」
 
line
ブクログ
line
小説家になろう
line
amazon書籍
line
アルパカ版の恋太郎です
line
映画『副王家の人々』より
副王家の一族 
line
イアリング
 ekubo
line
チャイナドレス
chainadoress
line
ポーズ
sofa
line
魯迅記念博物館
inu
line
陽だまりの乙女
usagi
line
裸婦
うつぶせのジャスミン
line
sakasu
line
打ち上げ花火をあげられる四季の風景時計
line
PC広告Amazon
line
テーブルと椅子
椅子3   
line
sub_line
プロフィール

奄美剣星 (狼皮のスイーツマン)

Author:奄美剣星 (狼皮のスイーツマン)
1930年前後の歴史推理小説 シナモンと素敵な旅をどうぞ

line
ranking 1
 
line
ranking 2
人気ブログランキングへ
line
置手紙
おきてがみ     
line
Twitter ぼたん
Sweetsman7をフォローしましょう
line
レッドバロン
line
検索フォーム
line
QRコード
QRコード
line
所収作品について
文献・画像等引用の場合は引用元を記載。自作小説倶楽部作品著作権は各著者に帰属。それ以外の文藝作品・絵画写真画像に関する諸権利は当該ブログ管理人に帰属。無断複写転載を禁じます。
line
カジュアルのシナモン
シナモンアップ 
line
リンク
line
マラッカ要塞
marakka
line
珈琲館の割れ甕
城南
line
地図
line
草原の乙女
sougenn
line
バー
eruhurio  
line
海へ行こう
umiheyuku2
line
祖母
  umiheyuku 1
line
洗い髪
araigami
line
癒しの音楽
line
sub_line