伯爵令嬢シナモン「飛行船の殺人」 北ノ王国妖精伝説「徳姫」 1/3
 

伯爵令嬢シナモン「飛行船の殺人」

小説、エッセイ、画塾

cinamon B 飛行船シルフィ― cinamon

北ノ王国妖精伝説「徳姫」 1/3

勿来の関付近(茨城県北茨城市)

北茨城   

 以前に、実在する女性考古学者、「ドロシー・ブレイヤー」に関する記事をかき、彼女がレディー・シナモンのモデルの一人だと紹介しました。
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 ドロシーのレポートと、この人を扱った取材記事を読まれた方はお感じになったでしょう。まるで、何者かに導かれるようにして、白水阿弥陀堂に向かいました。阿弥陀堂は、ある高貴な女性によって築かれた瀟洒な寺院です。その貴婦人の優しさと、ドロシーの探求心のイメージを合わせて、レディー・シナモン像ができあがりました。
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 スピリチュアルなことをいう方であれば、ドロシーが、(飛行機も未発達な時代にもかかわらず、日本の片田舎の寺院を訪ねてきたのは、前世の記憶をたどってもう一人の自分に合いにやってきたとしか思えない)とおっしゃることでしょう。
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 それでは、北国に実在した貴婦人の波瀾万丈の人生と愛に生きた伝説をご覧くださいませ。
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 ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※
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 ここは東京に本社がある雑誌『東京倶楽部』の編集室です。編集長の机の手前には記者やカメラマンの机が並べてあり、並んで座っているのが、記者の佐藤氏とカメラマンの中居氏でありました。ちょうど昼休みで、二人はコンビニで買ってきたカップラーメンをすすりながらノートパソコンのキーボードをたたいているところです。
「せ、先輩----」
「どうした、中居?」
「パソコンで検索していたら、スイーツマンの本店ブログをみつけました」
「それが、どうしたっていううんだよ」
 佐藤氏は、興味なさそうにカップラーメンを、ずず、とすすりました。
「先輩、姫様、レディー・シナモンには、モデルがいるようです」
 ラーメンを口に含んだ佐藤氏が、ぶっ、とそれを中居氏にふきました。
「わわっ、汚いっすよ、先輩----」
 パソコンの画面には、なんと、
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『白水物語』 (第2章-3 北の貴婦人徳姫《シナモンのモデル1》
http://novel.fc2.com/novel.php?mode=rd&nid=47516&pg=6 )
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  と書かれているではありませんか……。 (以下転載)
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 平安時代末期の英雄源義家(みなものとの よしいえ)が、勅撰集『千載集』に入選した和歌に次の一首があります。添え書きには、義家が、「陸奥国(みちのくに)にまかりける時、勿来(なこそ)の関にて花のちりければよめる」とあり、
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 ──吹く風をなこその関と思へども道もせにちる山桜かな
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 と詠んでいます。意味は──勿来とは、『来るな』という意味の関所である。吹く風も来ないでくれと思うのだが、道を塞ぐほどに山桜の花が散っている……というものです。
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 歌の舞台は現在の福島県いわき市勿来にあった勿来の関のことを指しています。源義家はここを通りました。
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 一〇六二年(康平五年)、前鎮守府将軍源頼義は、陸奥の豪族安倍貞任(あべさだとう)が起こした前九年の役を平定した帰り道に、常陸国権守を称する多気宗基(わけむねもと)の館に宿泊しました。このとき多気宗基は十八になった娘に、「頼義公を慰めるように」と命じます。娘はその戯れの中で懐妊し、一〇六三年(康平六年)に誕生したのが徳姫(とくひめ)だというのです。なんという悲しい出生なのでしょうか。
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 前九年の役から二十一年が経ちました一〇八三年(永保三年)、阿部貞任討伐に協力した清原一族が実質的に阿部氏旧領を接収し、かって阿部氏よりも強大な領国を築いてしまいます。朝廷側としてはゆゆしきこと。そんなとき、うまい具合に清原武衡(きよはらたけひら)と家衡(いえひら)の兄弟による跡目争いが起こります。清原一門を叩きつぶすチャンスです。それが世にいう後三年の役です。
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 源頼義の後を継いだ源義家は陸奥守(むつのかみ)と鎮守府将軍を兼任し、後三年の役の鎮圧にむかいます。途中、常陸を通り、陸奥の入り口である勿来の関を通過しました。
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 このとき、いかめしい軍団にまじって、朱を塗られた美麗な輿が担がれておりました。行列の中程にいた義家が、「小休止」の合図をすると、輿の傍に馬を停めて中の人に声をかけました。
「輿からでてきてみてみなさい、徳姫、見事な桜ではないか」
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 長い黒髪をした姫君が輿を降り、兄と同じ勿来の山桜を眺めると、控えていた侍女に目配せをし笛を受け取り奏で始めました。笛は「波立」といい、昔、吉備大臣が朱雀天皇に献上し、源氏嫡流に伝わったという名器です。遠く陸奥の入り口へやってきた将兵たちは笛の調べに慰められたことでしょう。
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 腹違いの兄である義家は妹を親切に遇しました。しかしながら奇異なのは、多気宗基の屋敷から、若き乙女である腹違いの妹を戦地に随行させたところです。そこには政治的な目論見がありました。

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 ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※
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コメント

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2010/01/04 03:44
あさかぜ飛馬 様

人質
政略結婚
そして
となります  
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2010/01/04 03:42
藍姫 様

この人の場合
男など問題にならない生涯ですよ
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2010/01/03 23:32
政治的な目論見ですか?なんだかワクワクしますね^^
先が楽しみです♪  
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2010/01/03 22:37
女は道具、家長の所有物。なんて悲しい時代なんでしょう。
女性は、さぞ生きにくい時代だったのでしょうね。
そんな中で、徳姫が どのような人生を送ったのか、興味深いです。 

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2010/01/03 18:18
咲様

容姿の言及はありませんが聡明でした。その根ざすところに愛を感じます。
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2010/01/03 18:15
ソラちゃん へ

ありがとうございます。
意外、というかサプライズがきます。お楽しみに。  
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2010/01/03 15:35
レディー・シナモンのモデルとなった姫君…きっと美しく聡明なご婦人だったのでしょうね。戦乱の世で、どのような波乱の運命を辿るのでしょうか。 
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2010/01/03 13:50
徳姫様、これからどうなるのかしらぁ~~
波乱万丈の人生・・・、楽しみで~~す♫♩♬  
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2010/01/03 09:57
↓ BENクー様へのレス  
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2010/01/03 09:56
平安時代の源氏宗家は摂関家・院にとりいってましたので、末端ながら貴族でありました。しられざる姫君の人生は意外な方向へと進みます。 
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2010/01/03 09:40
八幡太郎義家の腹違いの妹徳姫・・・貴族ならまだしも、武家女性の地位はまだ軽んじられた時代だけに悲哀あふれる物語がありそうな気がしてなりません。(世が世なら坂東武者たちが憧れる存在であったのにと・・・

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comment

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おはようございます

おはようございます。
とても寒いです。
昨夜は疲れて早く寝てしまいました。(^_^;)

東北地方は古くから朝廷の征伐の対象でしかなかったのですね。
安部氏も清原氏も郷土の英雄でしょうけれどね。
徳姫の生涯前に読ませていただきましたが忘れているところもあります。
数奇な運命の高貴な姫君、楽しみにしています。
それにしても編集部はまだカップラーメン、武士は食わねど高楊枝ですかね(*^_^*)

狼皮のスイーツマンさん、また長いものをさっそく読んでいただきありがとうございます。感謝いたします。
キリシタン哀史は興味がありだいぶ調べました。
ハビアンはもっと顕彰されていい人物のように思いました。
宣教師もいろいろでやはり侵略の手先を任じていたものもいるようですね。
人間ほんとに変わらないと思いました。
リュートはほんとにいい音色ですね。

風邪よくなられたですか。
ほんとによかったですね(*^_^*)
やはり休養が一番なのでしょうね。
ほんと休みの時はご主人とかにうんと甘えて(*^_^*)
はい登ってきました。登ると冬でも汗が出てきます。

こちらこそ今週もよろしくお願いします。(*^_^*)
今日もいい日をー。

Re: おはようございます

郷里は茨城県に近く、さすがに阿部氏となると岩手県で郷土の英雄という意識は薄いようです。ただ平安末は奥州藤原氏の影響力は茨城県あたりまで及んでおり、徳姫の妹が、白水阿弥陀堂に通ずる寺院を彼の地の嫁ぎ先で建立していたのことです。

あ、すみません、末端のコメントが女性来訪者のお話と混乱しているようです。対策執筆でお疲れのところ、再度のご訪問にありがとうございます。


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